岩手県・宮城県のがれき(災害廃棄物)の広域処理について、国民のみなさまから不安の声を多数いただいている現在の状況は、これまでの政府の説明や情報の出し方のわかりにくさがひとつの原因だと考えております。このことが、受入に対するご理解をいただく上で障害にもなっていました。
そこで環境省では、情報公開のやり方を改善すべく、このサイトを立ち上げました。広域処理に関する情報を、オープンに、かつわかりやすく、国民のみなさまと共有するためのサイトです。
ここには、被災地の自治体と受入側の自治体がそれぞれ測定した「仮置場の廃棄物」「焼却後の排ガス」などの放射能濃度データをはじめ、その処理や測定の方法にいたるまで、手に入るデータをわかりやすく集約しています。広域処理に対する、みなさまのご理解やご検討に役立てていただければ幸いです。
宮城県・岩手県で発生した「災害廃棄物の推計総量および、両県から要請のあった広域処理の希望量」がご覧いただけます。
すでに災害廃棄物の受入を実施している自治体や試験焼却をおこなっている自治体による放射性セシウム濃度の測定データ(各施設で測定されている受入災害廃棄物の放射性セシウム濃度や排ガス、焼却灰などの放射性セシウム濃度測定結果)がご覧いただけます。
搬出側自治体の仮置場にある災害廃棄物の放射性セシウム濃度の測定データがご覧いただけます。
がれき処理データサイトでは、市町村が公開している災害廃棄物の広域処理に関する様々な測定データを、ポイントを絞って、シンプルに、わかりやすく掲載することを基本的な考え方としています。そのため、多数の測定値の中から代表的な測定値を選定し、必要に応じて、科学的妥当性を失わない範囲で一部取捨選択・加工し、見やすい形式の一覧表で整理することとしています。
以下の基本的考え方にしたがって、施設の状況に応じたデータを掲載しています。
受入施設については、以下の5種類に大別し、それぞれについて、必要なデータを掲載しています。
1.破砕 2.焼却 3.溶融 4.セメント焼成 5.最終処分(1)焼却灰の埋立 (2)不燃物等の直接埋立
1. 破砕 | 再生利用や処理の効率化のため、廃棄物を小さくする処理のこと。 |
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2. 焼却 | 可燃物を850℃以上の高温で燃やす処理のこと。 |
3. 溶融 | 廃棄物を焼却よりもさらに高温で溶かす処理のこと。 |
4. セメント焼成 | 廃棄物や灰を化学変化させ、セメントの製造に使用すること。 |
5. 最終処分 (1)焼却灰の埋立 (2)不燃物等の直接埋立 |
不燃物や灰などを埋立処分すること。 |
受入廃棄物、排ガス、焼却灰などの具体的測定値(濃度データ)については、以下の考え方にしたがって掲載しています。
排ガス 測定場所 |
測定対象 | 測定値 (Cs134, Cs137) (Bq/m3) |
考え方 | 選定の可否と表示方法 |
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1号炉 | ろ紙部 | 不検出(<0.5), 不検出(<0.7) | 検出下限を値とみなして 0.5 0.7=1.2 とする |
ろ紙部(1.2) ドレン部(1.1)=2.3 ⇒2号炉に比べ数値が大きいのでこちらを選定 ろ紙部とドレン部を合計して 不検出(<1.0)、不検出(<1.3) と表記します。 |
ドレン部 | 不検出(<0.5), 不検出(<0.6) | 0.5 0.6=1.1 | ||
2号炉 | ろ紙部 | 不検出(<0.4), 不検出(<0.7) | 0.4 0.7=1.1 | ろ紙部(1.1) ドレン部(1.0)=2.1 ⇒1号炉に比べ数値が小さいので不採用。 |
ドレン部 | 不検出(<0.4), 不検出(<0.6) | 0.4 0.6=1.0 |
排ガス中の放射性セシウム濃度は、JIS Z 8808「排ガスのダスト濃度の測定方法」に準拠した方法で、試料を採取して測定しています。 この方法では下図のように、ろ紙部とドレン部の2段階に分けて排ガス中の成分を捕集します。ろ紙部には、ろ紙を内蔵したダスト捕集器が取り付けられ、ドレン部には捕集液が入ったガス吸収ビンが取り付けられます。ドレン部の後ろには、吸引ポンプ、ガス流量計が接続されます。 試料を採取するときは、規定量の排ガスを試料管からポンプで吸引します。この時に、排ガス中の粒子(ダスト)はろ紙部で捕集され、残りのガス状の成分はドレン部の中の捕集液に捕集されます。下図では、ドレン部にガス吸収ビンを3本つなげて捕集しています。 排ガス中の放射性物質濃度はろ紙部、ドレン部に分けて測定されます。市町村の中には、ろ紙部とドレン部のそれぞれの値のみを公表している例がありますが、排ガス全体の放射性セシウムの濃度は、ろ紙部の測定値とドレン部の測定値の合計になります。
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