災害廃棄物対策に関して今後取組むべき事項とその進め方(令和5年3月)
1 発災時の対応
- 現地支援に入る環境省や都道府県の職員、ブロック協議会を通じた支援者、災害廃棄物処理支援員制度(以下、「人材バンク制度」。)の支援員、D.Waste-Netメンバー、ボランティア団体などの連携が必要。
- とりわけ大規模災害時には、広域的な連携調整が必要となる。これまでの経験・事例を踏まえつつ、環境省が調整役となり上記の方々と連携して対応することが重要。
- 人材バンク制度の活用にあたっては、被災自治体の支援ニーズの把握に努め、ニーズに合致した支援を行っていく。
- D.Waste-Netの連携を強化し、発災時(発災が予見される場合も含む)には前広に情報共有を行い、迅速かつ的確な支援に取り組む。
- 関係者間における効率的な情報共有方法としてデジタルツールを活用する。
- また、上記のデジタルツールも活用しつつ、タイムラインを踏まえた、災害廃棄物の発生量の動的推計について、精度・利便性向上が必要。
2 平時の対応
- 災害時の迅速かつ適切な対応を実現するためには、平時より、関係者との連携を強化し、自治体レベル、地域ブロックレベル、全国レベルでの対策強化が必要。
- 自治体の対策強化として、災害廃棄物処理計画の実効性の向上が重要。災害廃棄物処理計画策定・点検ガイド、災害廃棄物処理体制と業務(リーフレット)、災害廃棄物対策グッドプラクティス集をしっかり周知するとともに、災害廃棄物処理計画策定事業費補助金を活用するなどにより、自治体の対策強化を推進する。
- 各ブロック協議会において、継続的に行動計画の点検、見直しを行うとともに、訓練の実施等を行い、自治体や関係団体等との更なる連携強化に取り組む。
- 人材バンク制度のさらなる活用・改善に向けて、自治体への制度の周知や、支援員のスキルアップを目的とした災害廃棄物対策にかかる技術・経験の継承に関する研修を実施する。
- D.Waste-Netメンバーと継続して意見交換の場を設け、発災時に迅速に被災地支援が行えるよう平時からの関係構築を図る。
- 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震などの大規模災害や激甚化・頻発化する水害への対策を検討するとともに、過去の災害対応について課題分析や優良事例の横展開を行う。また、火山噴火による災害廃棄物処理施設への影響や収集運搬を含む処理システム全体への影響及び対応策について検討を進める。
- 災害廃棄物のリデュースや再生利用の促進に向けて、平時から、これまでの知見や事例を踏まえた対策を検討し、その周知などを含む対策の推進に取り組む。
- 災害時の効率的な情報収集及び関係者間での共有のためのデジタルツールの活用を検討・推進し、発災時に備えて平時から操作方法の訓練などを実施する。
- アジア太平洋地域におけるこれまでの関係構築も活用し、引き続き当該地域における平時からの災害廃棄物対策強化への貢献可能性を検討していく。