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  3. 平成26年8月豪雨による広島市での土砂災害対応について

平成26年8月豪雨による広島市での土砂災害対応について

被害状況

人的被害

人的被害状況

平成27年12月16日現在

死者 負傷者 合計
重傷者 軽傷者
76人 46人 22人 144人

物的被害

物的被害状況

平成26年12月26日現在

被害区分 件数 発生場所等
住家 全壊 179 西区1、安佐南区145、安佐北区33
半壊 217 安佐南区122、安佐北区95
一部破損 189 中区1、西区7、安佐南区106、安佐北区73、安芸区1、佐伯区1
床上浸水 1,084 西区2、安佐南区796、安佐北区286
床下浸水 3,080 西区18、安佐南区2,278、安佐北区784
非住家 457 中区1、東区1、西区6、安佐南区271、安佐北区178
公共建物 官公庁等 2 安佐南区1、安佐北区1
神社等 5 安佐南区5
公共土木施設 道路・橋梁 667 西区21、安佐南区270、安佐北区366、佐伯区10
河川 412 西区2、安佐南区95、安佐北区309、佐伯区6
その他 254 西区3、安佐南区102、安佐北区149
農地農林水産施設 田畑 157 安佐南区38、安佐北区118、佐伯区1
田畑以外 158 安佐南区24、安佐北区134
山がけ崩れ 380 西区12、安佐南区119、安佐北区246、佐伯区3
その他 453 東区3、西区7、安佐南区129、安佐北区313、佐伯区1

災害廃棄物

項目 分別項目 具体例 処理方法 推計量(t)
可燃物 流木、柱角材 流木、柱角材 資源化 10,934
木くず 雑木、端材 資源化 1,373
その他可燃物 量・布団類、紙、布 焼却・資源化 1,327
不燃物 安定埋立品目 ガラス・陶磁器くず 埋立処分 1,327
コンクリートがら コンクリートがら コンクリート 資源化 13,802
金属類 金属類 解体家屋からの金属製建具、家具等 資源化 1,655
混合廃棄物 混合廃棄物 上記に含まれない被災家屋廃材・廃家具などの可燃系の混合物 分別後、可能なものは資源化。可燃物は焼却 1,843
土砂等 土砂 土砂 資源化 535,500
土砂に混入している災害廃棄物 市街地に流入し土砂に混入している災害廃棄物 分別後、可能なものは資源化。可燃物は焼却 15,365
廃家電、廃自動車、その他処理困難物等 廃家電 家電製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、パソコン)石油ストーブ等 資源化及び破砕・選別 115
その他処理困難物等 タイヤ、消火器、危険物等 専門業者引取
廃自動車・廃バイク 自動車、バイク 資源化(業者引取) 36
合計 583,277

災害廃棄物の処理

災害廃棄物処理フロー

災害廃棄物処理のフロー図

中間処理

①被災ごみ収集運搬

広島市は、発災当日である8月20日8時30分、環境局に特別清掃対策部を設置し、市内7か所の全環境事業所での協力体制を組み、8月21日から、広島市直営のごみ収集車両を被災地区に出動させた。収集運搬作業に合わせて、広島市は、大規模改修工事のために操業を停止している南工場を除き、中工場、安佐南工場、安佐北工場の3つのごみ焼却工場と、安佐南工場大型ごみ破砕処理施設、玖谷埋立地(1次仮置場などとして利用)について、発災以降、土曜日・日曜日・休日も含め、毎日被災ごみを受け入れた。

②災害廃棄物の特徴

床上浸水などの家屋が多くあったため、廃家電や畳、布団などの被災大型ごみ等が多量に発生し、臭いなどの衛生上の問題が起きることが想定された。このため、被災地区からの迅速なごみの搬出を最優先に考え、一旦、玖谷埋立地に搬入し、ここで破砕・分別等の作業を行うこととした(8月24日にピークの日量206トンが搬入)。
土石流やがけ崩れにより発生した今回の災害廃棄物の特徴としては、大きく3つが挙げられる。1点目は、市街地の一般家屋の損壊等による災害廃棄物が多くの土砂を巻き込み、混合状態となっていること、2点目は、土砂系混合物の量が圧倒的に多いこと、3点目は、山から流れてきた岩石、木の幹や根を多く含んでいることである。

③仮設の破砕・選別施設における中間処理施設整備

広島市は、1次仮置場に保管している土砂混じりがれき等の災害廃棄物を処理するため、広島市南区出島四丁目に災害廃棄物中間処理施設を設置した。


災害廃棄物中間処理施設

中間処理施設は、土砂混じりがれき、がれき類、コンクリートがら・岩石を各々中間処理するゾーンを設けて、災害廃棄物の種類に応じて処理を行った。
なお、流木・柱角材は、委託処理業者である広島市災害廃棄物処理業務共同企業体構成員の島根県の処理施設で、破砕処理し、バイオマス燃料化や堆肥化を行った。


中間処理施設の配置図

主な処理フローは、下図のとおり。

政府の動き

政府は、政府調査団の派遣、現地対策本部の設置等により、広島市への支援を行った。

発災直後の政府(環境省、内閣府等)の主な対応

8月20日
・政府調査団の派遣(~21日)、環境省は、伊豆大島での大規模土砂災害において
 災害廃棄物処理を支援した職員を派遣
・政府現地対策室の設置(広島県庁内)。環境省(本省及び中国四国地方環境事務所)から
 リエゾン(連絡要員)を派遣(~9月19日)
8月22日
・「平成26年8月豪雨非常災害対策本部」の設置(「関係省庁災害対策会議」の格上げ)
・「平成26年8月豪雨非常災害現地対策本部(本部長:西村内閣府副大臣。
 以下「現地対策本部」という。)」の設置(「政府現地対策室」の格上げ)
・広島市災害対策本部本部員会議へ、国(環境省等)・県も参加(~9月19日)
8月25日
・環境省中国四国地方環境事務所に災害廃棄物対策本部を設置
・現地対策本部に被災者支援チームを設置
・安倍内閣総理大臣等の現地調査
8月26日
・現地対策本部が、広島県庁北館4階第3委員会室から広島市役所本庁舎2階講堂に移転
・現地対策本部に応急復旧連絡会議を設置
8月27日
・環境省が、災害廃棄物処理に係る専門家を派遣(~9月13日)
9月1日
・浮島環境大臣政務官が現地調査
9月5日
・広島市が災害廃棄物等処理工程表を公表
9月9日
・現地対策本部を「政府現地連絡調整室」に改組(9月19日閉鎖)
9月14日
・広島市が災害廃棄物処理計画(初稿)を策定
9月26日
・小里環境副大臣及び福山環境大臣政務官が現地調査

環境省による視察

2016年1月31日

広島県広島市の災害廃棄物の処理状況や復興状況を確認しました。
井上副大臣は、平成26年8月の土砂災害で被災した広島県広島市を訪問し、災害廃棄物の処理状況や復興状況を確認するとともに、広島市長と災害廃棄物処理を通して得られた経験や教訓について意見交換しました。

土砂災害による犠牲者への献花。

災害廃棄物の処理施設の説明を受ける様子。

広島市長と面会し、意見交換をしました。

2014年9月26日

広島市土砂災害被災現場を視察しました。
小里副大臣、福山政務官は、広島市で発生した大規模な土砂災害に係る被災現場を訪れ、災害廃棄物処理の状況等について視察しました。

災害廃棄物対策指針の詳細はこちら

がれき処理状況の説明を受ける様子

土砂災害で被災した廃棄物処理施設

災害廃棄物の分別・処理状況

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