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廃棄物処理施設整備計画の概要
廃棄物処理施設整備計画の概要
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第5条の3の規定に基づき、平成25年度~29年度の5カ年の新たな「廃棄物処理施設整備計画」を定める。
現在の公共の廃棄物処理施設の整備状況や、東日本大震災以降の災害対策への意識の高まり等、社会環境の変化を踏まえ、3Rの推進に加え、災害対策や地球温暖化対策の強化を目指し、広域的な視点に立った強靱な廃棄物処理システムの確保を進める。
※なお、東日本大震災で発生した災害廃棄物については、災害廃棄物処理特措法に基づく災害廃棄物の処理に関する基本的な方針、災害廃棄物の処理の内容及び実施時期等を明らかにした工程表を踏まえ処理を進めていることから、本計画に位置付けていない。
基本的理念
3Rの推進
循環型社会の形成の推進のため、できる限り廃棄物の排出を抑制することを最優先に進めるとともに、廃棄物となったものについては、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを前提として、不適正処理の防止その他の環境への負荷の低減に配慮しつつ、再使用、再生利用、熱回収の順にできる限り循環的な利用(以下「適正な循環的利用」という。)を行い、こうした排出抑制及び適正な循環的利用を徹底した上で、なお適正な循環的利用が行われないものについては、適正な処分を確保することを基本とする。廃棄物処理施設は、3Rの推進と併せて計画的に整備する必要がある。
強靱な一般廃棄物処理システムの確保
市町村の厳しい財政状況等により、老朽化した廃棄物処理施設が増加し、一般廃棄物処理システムがぜい弱化している地域がある。一方で、大規模災害等に備え、広域圏で処理体制を築いておく必要があり、その前提として災害時等における処理体制の代替性及び多重性の確保の観点から、各施設が備えている能力を最大限発揮できるよう常時設備を整備しておく必要がある。
そのため、老朽化した廃棄物処理施設の更新・改良を適切な時機に行い、一般廃棄物処理システムの強靱性を確保する必要がある。
また、廃棄物処理施設の整備に当たっては、地域住民等の理解及び協力が不可欠であることから、国は、東日本大震災への対応の経験も踏まえ、廃棄物処理施設の安全性に関する情報提供及び必要な技術水準の確保に努めつつ、市町村による廃棄物処理施設整備の取組を支援する。
地域の自主性及び創意工夫を活かした一般廃棄物処理施設の整備
広域的かつ総合的に廃棄物処理施設の整備等を推進するために平成17年度に創設された循環型社会形成推進交付金制度により、市町村等の自主性及び創意工夫を活かしながら、国と地方が構想段階から協働して循環型社会の形成を推進する。
その際、広域的な視野に立った廃棄物処理システムの改善並びに地球温暖化防止及び省エネルギー・創エネルギーへの取組にも配慮した廃棄物処理施設の整備、廃棄物系バイオマスの利活用の推進、災害対策の強化等、整備計画が示す具体的な方向性に合致するよう、総合的に一般廃棄物処理施設を整備していくこととする。
また、廃棄物処理施設は数十年にわたり地域において継続使用・管理されるものであることを踏まえ、広域的かつ計画的に廃棄物処理施設の整備が進むよう、都道府県が市町村の総合調整に努めることとする。
樹点目標
排出抑制、最終処分量の削減を進め、着実に最終処分を実施
- ごみのリサイクル率:22% → 26%
- 最終処分場の残余年数:平成24年度の水準(20年分)を維持
焼却時に高効率な発電を実施し、回収エネルギー量を確保
- 期間中に整備されたごみ焼却施設の発電効率の平均値:16% → 21%
し尿及び生活雑排水の処理を推進し、水環境を保全
- 浄化槽処理人口普及率:9% → 12%
(また、資源の有効利用や地球温暖化対策の観点から具体的な指標を策定する。)
廃棄物処理システムの方向性
市町村の一般廃棄物処理システムを通じた3Rの推進
地域住民等の理解と協力の確保
広域的な視野に立った廃棄物処理システムの改善
- 広域圏の一般廃棄物の排出動向を見据え、廃棄物処理システムの強靱化の観点も含め、施設整備を計画的に進める。
- ストックマネジメントの手法を導入し、既存の廃棄物処理施設の計画的な維持管理及び更新を推進し、施設の長寿命化・延命化を図る。
- 資源の有効利用や地球温暖化対策の観点から具体的な指標を求め、より優れたものを優先的に整備する。
地球温暖化防止及び省エネルギー・創エネルギーへの取組にも配慮した廃棄物処理施設の整備
- 廃棄物処理施設の省エネルギー化・創エネルギー化を進め、地域の廃棄物処理システム全体で温室効果
ガスの排出抑制及びエネルギー消費の低減を図る。 - 例えば、廃棄物発電施設の大規模化、地域特性を踏まえた熱の地域還元等の取組を促進する。
廃棄物系バイオマスの利活用の推進
- 廃棄物焼却施設の熱回収とメタン回収施設を組み合わせるなど、効率的なエネルギー回収を進める。
災害対策の強化
- 廃棄物処理施設を、通常の廃棄物処理に加え、災害廃棄物を円滑に処理するための拠点と捉え直し、広域圏ごとに一定程度の余裕を持った焼却施設及び最終処分場の能力を維持し、代替性及び多重性を確保する。
- 地域の核となる廃棄物処理施設においては、施設の耐震化、地盤改良、浸水対策等を推進し、廃棄物処理システムとしての強靱性を確保する。