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廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律の概要

概要

趣旨

災害により生じた廃棄物について、適正な処理と再生利用を確保した上で、円滑かつ迅速にこれを処理すべく、平時の備えから大規模災害発生時の対応まで、切れ目なく災害対策を実施・強化するための法整備を行う。

法整備の必要性

東日本大震災等近年の災害における教訓・知見により、災害の発生に備えて対応を強化すべき課題とその対策方針が、以下のとおり明らかとなった。

<課題1>円滑かつ迅速な処理を実現するための事前の備え(方針・体制)

対策方針
  • 国の司令塔機能の強化。
  • 国、地方自治体及び民間事業者がそれぞれ主体的に取り組み、かつ、広域にわたって有機的に連携するよう、役割分担を明確化し、平時から計画的に対策。

<課題2>適正処理の確保に向けた指針・仕組み

対策方針
  • 大規模災害の発生後も、廃棄物の適正処理と再生利用を確保するとの基本的方針を明確化。
  • 廃棄物処理法(通常時の対応)及び災害対策基本法(大規模災害時の対応)を有機的に連動させ、切れ目のない災害対応を実施するための仕組みを整備。

これらの対策方針を発災前・発災後で維持・活用するための制度整備が必要

法律の内容

災害により生じた廃棄物処理について、適正な処理と再生利用を確保するとともに、円滑かつ迅速に処理すること、また、これらについて、発災前から周到に備えることとの基本的考え方に基づき、平時の備えから通常時の対応には廃棄物処理法の枠組みを、大規模災害時の対応にはさらに災害対策基本法の枠組みを活用し、以下の措置等を規定。

  • 国、都道府県、市町村及び民間事業者は、災害により生じた廃棄物について、相互に連携・協力しつつ、適切に役割を分担して取り組む責務を有すること。〔廃棄物処理法〕
    さらに国及び都道府県は、平時から、廃棄物処理の基本方針又は処理計画に基づき、災害時の備えを実施すること。〔廃棄物処理法〕
  • 災害時においても円滑かつ迅速に廃棄物を処理すべく、災害時には廃棄物処理施設の迅速な新設又は柔軟な活用のための手続きの簡素化を行うこと。〔廃棄物処理法〕
  • 特定の大規模災害の発生後、環境大臣は、廃棄物処理法の基本方針にのっとり、災害廃棄物処理に関する指針を策定すること。〔災害対策基本法〕
  • 特定の大規模災害の被災地域のうち、廃棄物処理の特例措置(既存の措置)が適用された地域から要請があり、かつ、一定の要件を勘案して必要と認められる場合、環境大臣は災害廃棄物の処理を代行することができること。〔災害対策基本法〕
    【要件】 処理の実施体制、 専門知識・技術の必要性、 広域処理の重要性

災害廃棄物対策における災害の規模と適用する措置の考え方

資料

法律改正(平成27年廃棄物処理法及び災害対策基本法の一部を改正する法律:平成27年7月17日公布)

平時の備えから大規模災害発生時の対応まで、切れ目なく災害廃棄物対策を実施・強化するため、廃棄物処理についての制度と災害対策についての制度の両方を改正する法律が平成27年に公布、施行されました。

政省令改正

法律改正に併せて、非常災害時には災害廃棄物の処理を再委託することができることとする等の内容の政省令も整備されました。

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