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自治体アンケート(災害時における災害廃棄物対策に係るアンケート調査)
自治体の災害時における災害廃棄物対策に係る取組状況を把握し、今後、必要な施策検討のための基礎資料とすることを目的とした「災害時における災害廃棄物対策に係るアンケート調査」を下記要領にて実施をした。
アンケート概要
1.名称
災害時における災害廃棄物対策に係るアンケート調査
2.調査期間
平成26年10月~平成27年3月
3.調査対象
自治体数及び回答自治体数
回答 | 都道府県 | 市区町村 |
---|---|---|
調査対象自治体数 | 47 | 1741 |
回答自治体数 | 47 | 1716 |
回答率 | 100% | 98.6% |
4.アンケート調査項目
アンケート帳票は、都道府県向けと市区町村向けの2パターンにより実施した。
- 災害時における災害廃棄物対策に係るアンケート調査票(都道府県向)
- 災害時における災害廃棄物対策に係るアンケート調査票(市区町村向)
アンケート分析結果
(1)自治体に対する支援方策の検討
1.災害廃棄物処理計画策定率向上に資する支援対象の検討
全国の災害廃棄物処理計画の策定状況は、都道府県において 21%、市区町村において 33%が「策定済み」と回答。一方、「今後、策定する予定」又は「策定する予定はない」と回答している自治体は、都道府県において 66%、市区町村において 64%の回答率(図1)となっている。
また、廃掃法上における政令市とそれ以外の市区町村の災害廃棄物処理計画策定状況では、「策定済み」と回答した自治体は、政令市では 54%と過半数を超えており、それ以外の市区町村では 32%の回答(図2)となっている。同様に、一般廃棄物を担当する課(室、グループ等の業務実行最小単位)に所属する職員数別の災害廃棄物処理計画策定状況において、職員数3人未満の自治体で「策定済み」と回答した割合は 22%(図3)となっている。
図1 災害廃棄物処理計画策定状況
図2 政令市と政令市以外の災害廃棄物処理計画策定状況
図3 一般廃棄物を担当する職員数別の市区町村の災害廃棄物処理計画策定状況
全また、図4に示されるように、都道府県における災害廃棄物処理計画が、「策定済み」の場合の市区町村のおける回答が「策定済み」の割合は 45.3%であり、「策定する予定はない」の場合の市区町村のおける回答が「策定済み」の割合は 23.1%となっている。
図4 都道府県の策定状況における市区町村の災害廃棄物処理計画策定状況
2.災害廃棄物処理計画策定率向上に資する支援方策の検討
災害廃棄物処理計画の策定に関して、市区町村が課題として認識している事項の調査結果を図5に示す。「専門的な情報や知見が不足している」の割合が最も多く、「策定済み」が 28%、「現在策定中」が 32%、「今後、策定する予定」が 31%であった。「策定する予定はない」と回答した自治体においては、「作成にあたる職員や時間を確保できない」との課題が2番目に多い。
また、政令市に限定すると、「作成にあたる職員や時間を確保できない」と回答した自治体が 15%(図6)であり、政令市以外の自治体による回答割合 31%(図7)の半分程度となっており、小規模な自治体において、人員が不足しているといえる。
一方、「今後、策定する予定」又は「策定する予定はない」と 回答した自治体において、「どの災害を想定して作成すればよいのか分からない」や「何から手をつければよいのか分からない」といった課題を上げている自治体が、各々1割前後となっている。
3.災害廃棄物発生量推計に対する支援方策の検討
災害廃棄物発生量を推計する際の課題は、「どの推計手法を用いればよいか分からない」および「推計にあたる職員や時間を確保できない」という2項目でおよそ半数が占められている。また、都道府県が発生量推計済みの場合の市区町村における課題認識(図8)と、それ以外の場合の市区町村における課題認識(図9)の比較では、顕著な違いがみられない。
図5 市区町村における災害廃棄物処理計画策定に係る課題認識
図6 政令市における災害廃棄物処理計画策定に係る課題認識
図7 政令市以外の市区町村における災害廃棄物処理計画策定に係る課題認識
図8 市区町村における災害廃棄物発生量推計に係る課題認識(都道府県が推計済み)
図9 市区町村における災害廃棄物発生量推計に係る課題認識(都道府県が推計済み以外)
4.仮置場候補地の検討に対する支援対象・方策の検討
一次仮置場候補地リストの作成状況は、「リストを作成している」が 18%、「リストは作成していないが、およその検討をしている」が 24%、「リストの作成も検討もしていない」が 58%という結果となった(図10)。政令市と政令市以外の自治体に分けて、一次仮置場候補地リスト作成状況を整理すると、政令市で 41%、政令市以外の自治体では 17%が候補地リストを策定している結果となった(図11)。
政令市以外の市区町村の課題認識の結果を図12に示す。一次仮置場候補地の検討では、災害時に利用可能な空き地の把握が難しい」や「他の利用用途との調整が難しい」、「仮置場としてどれくらいの面積が必要なのか分からない」、「専門的な情報や知識が不足している」の4項目の合計が全体の7割弱を占める結果となった。
図10 市区町村における一次仮置場候補地リスト作成状況
図11 政令市および政令市以外の市区町村における一次仮置場候補地リスト作成状況
図12 政令市以外の市区町村における仮置場候補地検討に係る課題認識
5.災害廃棄物対策に係る研修・訓練に対する支援方策の検討
災害廃棄物対策に係る研修・訓練の実施状況は、「定期的に実施している」と回答した自治体は、都道府県においては 21%、市区町村において 4%(図13)となっている。
「定期的に実施している」と回答している都道府県とそれ以外の回答を行った都道府県の市区町村の回答状況を比較すると、「定期的に実施している」と回答した市区町村は 10%(「定期的に実施している」と回答している都道府県内の市区町村)と 2%(それ以外の回答を行った都道府県内の市区町村)とおよそ5倍の差(図14)となっている。また、管内の自治体と協定に基づく訓練を実施していると回答した都道府県における市区町村の回答は、「定期的に実施している」が 15%(図15)という結果となった。
図13 災害廃棄物対策に係る研修・訓練の実施状況
図14 都道府県の実施状況における市区町村の災害廃棄物対策に係る研修・訓練の実施状況
図15 協定に基づいた訓練を実施している都道府県内の市区町村における研修・訓練の実施状況